RQES2019 発表報告 その1 "各種直交表の主効果検出力比較”
2019年7月8日 18時50分52秒 (Mon)
今年のRQES2019では2件発表しました.
そのうちの1件目の発表”各種直交表の主効果検出力の比較”について概要を報告します.
この研究発表は2014年に品質管理学会に投稿された東工大の宮川先生らの論文がトリガーとなっています.その論文の内容はカンファレンス行列(以下C行列)という直交表の新たな解析方法に関するものでしたが,私はこのC行列という直交表は2因子間の一次交互作用が交絡しないというすごい特長を持っているということを知って驚いてしまいました.品質工学の骨格に位置付けられる基本機能のコンセプトの狙いは,評価特性の加法性を確保し,交互作用の影響を低減することにありますが,直交表というツールを使えば交互作用を大幅に低減できるとすれば相当に画期的なことです.
我々はC行列に関する研究を2016年頃にスタートし,その後2017年,2018年,2019年と3年連続でRQESで発表しました.で、今年2019年が本研究の区切りとします.2017年はC行列の効果検証,2018年はC行列がら要因効果図を書く方法について発表し,今年は以下の各種直交表の性能を比較評価し,一連の研究活動を終えることしました.
直交表L16(2因子間交互作用は全て検出)
直交表L18
直交表L12
C行列
D計画
ここでD計画とは実験回数,制御因子の水準幅,モデル(交互作用を検出するかどうかなど)の条件を与えると最適な実験計画をOUTPUTしてくれるツールです.今回の検証は直交表L12と比較するために12回の実験,主効果のみのモデルを与えました.ちなみに2因子間交互作用を検出するモデルを与えると直交表L16が得られました.
性能は以下のように定義しました.
5つの制御因子からなる電気回路モデルを取り上げ,243通りの水準設定パターンを作り,243パターン毎に全組み合わせ実験を実施する.この全組み合わせ実験から得られた要因効果図(主効果)の傾向に近ければ近いほど性能が良い直交表であるとする.
結果ですが,当然のことながら交互作用を検出できる割り付けをした直交表L16がダントツに良かったのですが,なんと驚いたことにC行列の性能が直交表L12とほとんど変わらないということがわかったのです.これはおそらく以下の理由によるものと思います.
・直交表L12は混合型なので2因子間の交互作用が他の列に均等にばらまかれる
・全ての制御因子の2因子組み合わせの交互作用が全ての列にランダムにばらまかれると,交互作用の傾向はランダムなので,互いに打ち消し合い,結果として主効果が浮かび上がってくる.
つまり,混合型直交表の全ての列に制御因子を割り付けることで交互作用の相殺効果を利用することが可能となり,少ない実験回数で,かなり主効果に近い傾向が再現するということではないかと思うのです.3年間の研究で,改めて田口先生の発想のすごさを実感しました.
結論ですが,直交表L18の性能がやや劣りますが,どの直交表も(L16以外は)全組み合わせ実験の結果からは相当に離れているという意味では大差ないとも言えます.やはり,交互作用の影響を抑制するもっとも効果的な方法は加法性に優れた特性値を考案・選択することかと思います.これが品質工学の基本戦略ですね.
そのうちの1件目の発表”各種直交表の主効果検出力の比較”について概要を報告します.
この研究発表は2014年に品質管理学会に投稿された東工大の宮川先生らの論文がトリガーとなっています.その論文の内容はカンファレンス行列(以下C行列)という直交表の新たな解析方法に関するものでしたが,私はこのC行列という直交表は2因子間の一次交互作用が交絡しないというすごい特長を持っているということを知って驚いてしまいました.品質工学の骨格に位置付けられる基本機能のコンセプトの狙いは,評価特性の加法性を確保し,交互作用の影響を低減することにありますが,直交表というツールを使えば交互作用を大幅に低減できるとすれば相当に画期的なことです.
我々はC行列に関する研究を2016年頃にスタートし,その後2017年,2018年,2019年と3年連続でRQESで発表しました.で、今年2019年が本研究の区切りとします.2017年はC行列の効果検証,2018年はC行列がら要因効果図を書く方法について発表し,今年は以下の各種直交表の性能を比較評価し,一連の研究活動を終えることしました.
直交表L16(2因子間交互作用は全て検出)
直交表L18
直交表L12
C行列
D計画
ここでD計画とは実験回数,制御因子の水準幅,モデル(交互作用を検出するかどうかなど)の条件を与えると最適な実験計画をOUTPUTしてくれるツールです.今回の検証は直交表L12と比較するために12回の実験,主効果のみのモデルを与えました.ちなみに2因子間交互作用を検出するモデルを与えると直交表L16が得られました.
性能は以下のように定義しました.
5つの制御因子からなる電気回路モデルを取り上げ,243通りの水準設定パターンを作り,243パターン毎に全組み合わせ実験を実施する.この全組み合わせ実験から得られた要因効果図(主効果)の傾向に近ければ近いほど性能が良い直交表であるとする.
結果ですが,当然のことながら交互作用を検出できる割り付けをした直交表L16がダントツに良かったのですが,なんと驚いたことにC行列の性能が直交表L12とほとんど変わらないということがわかったのです.これはおそらく以下の理由によるものと思います.
・直交表L12は混合型なので2因子間の交互作用が他の列に均等にばらまかれる
・全ての制御因子の2因子組み合わせの交互作用が全ての列にランダムにばらまかれると,交互作用の傾向はランダムなので,互いに打ち消し合い,結果として主効果が浮かび上がってくる.
つまり,混合型直交表の全ての列に制御因子を割り付けることで交互作用の相殺効果を利用することが可能となり,少ない実験回数で,かなり主効果に近い傾向が再現するということではないかと思うのです.3年間の研究で,改めて田口先生の発想のすごさを実感しました.
結論ですが,直交表L18の性能がやや劣りますが,どの直交表も(L16以外は)全組み合わせ実験の結果からは相当に離れているという意味では大差ないとも言えます.やはり,交互作用の影響を抑制するもっとも効果的な方法は加法性に優れた特性値を考案・選択することかと思います.これが品質工学の基本戦略ですね.
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