多摩川と鶴見川 CAPDとPDCA

2019年12月13日 19時44分12秒 (Fri)

 先日の台風19号では記録的な豪雨により多摩川が決壊し、周囲に多くの被害をもたらしました。二子玉川駅近くの、いつもお世話になっているサイクルショップも、1階が濁流で流され、長く閉店が続いておりました。幸い、PCデータや商品は事前に引き上げていたので損失は最小限だったそうです。ちょうどQMODに参加するために羽田からポーランドに向かう次の日から東京近郊が暴風雨兼に入ったので、もし出発が1日遅れていたら発表は取りやめになっていたかもしれません。

 多摩川の被害が大きく報道される一方で、あまり報道はされていないけれども、ある意味で多摩川よりも注目すべきが鶴見川であることを知りました。鶴見川は多摩川と同じく過去に何度か氾濫したことがある一級河川なのですが、多摩川の近くを流れる鶴見川は今回の台風でも氾濫せず、周辺に被害を出していません。これは実は偶然のことではなく、この差が生まれた背景には納得できる理由があるのです。鶴見川の氾濫対策は1970代から当時の建設省が主導して戦略が立案され、1980年には鶴見川流域総合治水対策として正式に施策がスタートしました。それが遊水地です。鶴見川の周辺には複数の遊水地が設けられ、水量が多くのなると一時的に雨水がそこに流れるしくみになっています。ラグビーワールドカップが開催された横浜国際総合競技場もその一つの遊水地にあります。この遊水地が機能したために鶴見川では被害がなかったということです。

 ではなぜ多摩川では鶴見川のような施策を実施できなかったのか?
そこにはいくつか要因があると思いますが、その1つは、ある河川の流域で総合的な施策を実行するためには複数の自治体の利害を超えた協力が必要になることにあると聞きました。鶴見川の流域にある町田市、稲城市、横浜市、川崎市が建設省の戦略を納得し、利害を超えて1つの目標に向けた取り組みを長期にわたり実施した結果の成果だと思います。

 多摩川と鶴見川の違いはCAPDとPDCAの違いの1つの例ではないかとも感じます。多摩川周辺には多くの住民が居住しているため、今となっては鶴見川のような遊水地を作るのは相当に困難かと思います。時間が経過すればするほど手段が限定されてしまうことは多くの分野で共通なことなのかもしれません。





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