機能から形を創る

2021年12月1日 9時20分39秒 (Wed)

 11月13日に開催された品質管理学会の大会で,商品開発プロセス研究会のWG2「創造性と効率性を両立した技術開発プロセスの構築」の活動の成果である「技術開発プロセスを設計するプラットフォーム"T7"]を構築するに至る経緯を報告しました.その中で,Model Based Development(MBD)と品質工学の共通性についても触れました.今回はその内容を共有します.

 一般的にMBDはシミュレーションモデルを活用した技術開発や製品設計と認識されていますが,その本質は機能を起点として形を創造するプロセスにあります.例えば自動車の場合のお客様のニーズの一つが燃費ですが,燃費という目的機能を改善するためにはシリンダー内部での燃焼反応の理想の状態を定義することが重要であり,その理想の状態を源機能と呼んでいます.源機能は「~を~する」というような言葉で表現できますが,それを計測可能な特性値で定義すると品質工学の基本機能になります.用紙を様々な形状に折りこむマシンの場合であれば,用紙を折りこむ理想の挙動が源機能であり,そこに計測可能な特性値を与えると品質工学の基本機能となります.基本機能の改善が結果的にお客様のニーズである目的機能(頂上機能)の向上につながります.自動車の場合であればほしいものは加速ですから,できるだけ少ない燃料消費で加速を得ることがお客様の満足向上につながります.それを実現するのが基本機能です.そして理想の源機能,あるいは基本機能を実現する手段が形状,寸法,材料種類などの制御因子です.統計的な因果関係は,制御因子→基本機能→目的機能ですが,技術的には目的機能→基本機能→制御因子の順番で発想します.
 
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