2023年 年初所感
2023年1月4日 15時33分28秒 (Wed)
皆様、明けましておめでとうございます.
昨年も多くの方々に本HPに来訪してくださいました.この場を借りて感謝申し上げます.
今年も引き続きよろしくお願いいたします.
今回はこれまでの学会活動を振り返り,今後への想いを述べさせていただきます.
品質工学会の理事を拝命してから4年という月日が流れました.その間に日本品質管理学会と品質工学会の共同研究会「商品開発プロセス研究会」の幹事として活動を継続し,WG2の研究テーマである「創造性と効率性を両立した技術開発プロセスの構築」の成果として,
「技術開発プロセスを設計するプラットフォーム”T7”」
を提案することができました.
T7については本HPでも概要を紹介しております.さらに詳細については下記を参照いただければと思います.
「技術開発プロセスを設計するプラットフォームT7の提案と検証」品質工学, Vol.30, No.2
また,本HPの”新連載 品質工学による技術開発 無料動画付き”でも関連情報を継続発信しておりますので,参考にしていただければと思います.
T7は技術開発を効果的に実行するための仕組みと言えます.これまで品質工学会や日本品質管理学会における研究報告のほとんどが個別の手法や技法の深掘り,あるいは進化を目的としたものでした.個々の手法や技法の精度や効率性を高めることは重要ですが,それだけで日本製造業が抱える大きな課題を達成できるのかという疑問があります.欧米での品質に関わる研究動向に目を転じると,個別の手法や技法ではなくQFD,TRIZ,タグチメソッドなどの各技法を融合した仕組み論を展開していることに気がつきます.このような海外の状況を踏まえると,今の日本製造業は欧米の良いところを学び,それを日本流にアレンジして自分達のものに仕上げていく活動が必要であり,それなくして日本製造業が再び世界のフロントランナーとして復活することは極めて困難であると言わざるを得ないと思うのです.
米国で市民権を得ている技術開発の仕組みであるDFSS(Design for Six Sigma)をベンチマークし,それを超えることを目指して構築した仕組みがT7です.今年はT7を多くの企業様に知っていただき,活用検討の最初の年に位置付けたいという想いを持っていますが,その方法については過去の反省が必要と考えています.2000年代に多くの日本製造業がトップダウンで品質工学を導入しましたが,現在でも有効活用が続いている組織あるいは企業はわずかしかないという現実があります.その主要因は手段の目的化にあったのではないでしょうか.何のためにの目的が曖昧なまま全員パラメータ設計を使えというようなやり方では成果は期待できません.なぜならば機能性評価,パラメータ設計,CS-T法は教科書通りに実施すれば成果が出るものではなく,課題に応じたアレンジや工夫が必要な技法だからです.そこが統計的品質管理などの手法との大きな違いです.
手法には正しい答えが存在します.正しい手順で実施すれば誰でも共通の正しい結果を得ることができます.よって,手法は集合教育で正しい手順を学んで全員が業務適用することで成果を期待できます.技法には正しい答えは存在せず,役立つ結果を得ることが目的です.役立つ結果を得るためには,実践経験を通じたスキルアップが必要です.つまり技法のスキルアップはOJTを通じて実現するしかないのです.急がば回れのアプローチになりますが,技法を活用できる組織力を実現しなければ技法活用による継続的な成果は難しいのです.
中長期視点での人財育成が組織力を作り,それが継続的な成果の原動力となるのですが,そのような大きな取り組みはボトムアップの草の根活動では限界があります.やはりトップダウンが必須ではあります.しかし,ここは繰り返しにはなりますが,トップダウンはやり方を間違えるとマイナス効果を生んでしまいます.トップダウンを成功させるためには中長期視点での組織力向上がなぜ必要なのかを説明する上位の目的が必要です.その目的は経営課題であるべきと考えます.大きな経営課題達成の手段として組織力向上があり,組織力向上の手段にT7を位置付けることが日本製造業復活の鍵になると考えています.これはかつて日本製造業が生み出したTQMの中のマネジメントの仕組みである方針管理を技術開発プロセスに導入することにほかなりません.そのような狙いの下で,現在WG2では方針管理による技術開発プロセスのマネジメントについて研究を継続しています.この研究活動には品質管理の実践分野の世界的第一人者である福原先生にもアドバイザーとして参加していただいております.T7や方針管理による技術開発プロセスのマネジメントについては,何らかの形で今年中に報告したいと考えております.
ご期待ください
昨年も多くの方々に本HPに来訪してくださいました.この場を借りて感謝申し上げます.
今年も引き続きよろしくお願いいたします.
今回はこれまでの学会活動を振り返り,今後への想いを述べさせていただきます.
品質工学会の理事を拝命してから4年という月日が流れました.その間に日本品質管理学会と品質工学会の共同研究会「商品開発プロセス研究会」の幹事として活動を継続し,WG2の研究テーマである「創造性と効率性を両立した技術開発プロセスの構築」の成果として,
「技術開発プロセスを設計するプラットフォーム”T7”」
を提案することができました.
T7については本HPでも概要を紹介しております.さらに詳細については下記を参照いただければと思います.
「技術開発プロセスを設計するプラットフォームT7の提案と検証」品質工学, Vol.30, No.2
また,本HPの”新連載 品質工学による技術開発 無料動画付き”でも関連情報を継続発信しておりますので,参考にしていただければと思います.
T7は技術開発を効果的に実行するための仕組みと言えます.これまで品質工学会や日本品質管理学会における研究報告のほとんどが個別の手法や技法の深掘り,あるいは進化を目的としたものでした.個々の手法や技法の精度や効率性を高めることは重要ですが,それだけで日本製造業が抱える大きな課題を達成できるのかという疑問があります.欧米での品質に関わる研究動向に目を転じると,個別の手法や技法ではなくQFD,TRIZ,タグチメソッドなどの各技法を融合した仕組み論を展開していることに気がつきます.このような海外の状況を踏まえると,今の日本製造業は欧米の良いところを学び,それを日本流にアレンジして自分達のものに仕上げていく活動が必要であり,それなくして日本製造業が再び世界のフロントランナーとして復活することは極めて困難であると言わざるを得ないと思うのです.
米国で市民権を得ている技術開発の仕組みであるDFSS(Design for Six Sigma)をベンチマークし,それを超えることを目指して構築した仕組みがT7です.今年はT7を多くの企業様に知っていただき,活用検討の最初の年に位置付けたいという想いを持っていますが,その方法については過去の反省が必要と考えています.2000年代に多くの日本製造業がトップダウンで品質工学を導入しましたが,現在でも有効活用が続いている組織あるいは企業はわずかしかないという現実があります.その主要因は手段の目的化にあったのではないでしょうか.何のためにの目的が曖昧なまま全員パラメータ設計を使えというようなやり方では成果は期待できません.なぜならば機能性評価,パラメータ設計,CS-T法は教科書通りに実施すれば成果が出るものではなく,課題に応じたアレンジや工夫が必要な技法だからです.そこが統計的品質管理などの手法との大きな違いです.
手法には正しい答えが存在します.正しい手順で実施すれば誰でも共通の正しい結果を得ることができます.よって,手法は集合教育で正しい手順を学んで全員が業務適用することで成果を期待できます.技法には正しい答えは存在せず,役立つ結果を得ることが目的です.役立つ結果を得るためには,実践経験を通じたスキルアップが必要です.つまり技法のスキルアップはOJTを通じて実現するしかないのです.急がば回れのアプローチになりますが,技法を活用できる組織力を実現しなければ技法活用による継続的な成果は難しいのです.
中長期視点での人財育成が組織力を作り,それが継続的な成果の原動力となるのですが,そのような大きな取り組みはボトムアップの草の根活動では限界があります.やはりトップダウンが必須ではあります.しかし,ここは繰り返しにはなりますが,トップダウンはやり方を間違えるとマイナス効果を生んでしまいます.トップダウンを成功させるためには中長期視点での組織力向上がなぜ必要なのかを説明する上位の目的が必要です.その目的は経営課題であるべきと考えます.大きな経営課題達成の手段として組織力向上があり,組織力向上の手段にT7を位置付けることが日本製造業復活の鍵になると考えています.これはかつて日本製造業が生み出したTQMの中のマネジメントの仕組みである方針管理を技術開発プロセスに導入することにほかなりません.そのような狙いの下で,現在WG2では方針管理による技術開発プロセスのマネジメントについて研究を継続しています.この研究活動には品質管理の実践分野の世界的第一人者である福原先生にもアドバイザーとして参加していただいております.T7や方針管理による技術開発プロセスのマネジメントについては,何らかの形で今年中に報告したいと考えております.
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