ロバストパラメータ設計と機械学習 その1 交互作用への対応
2023年9月12日 19時07分51秒 (Tue)
これまでこのHPでは技術開発や製品設計に関して様々な視点のコメントを投稿してきました.今回は最適化という視点で機械学習と品質工学の違いを考えてみたいと思います.最初に最適化を定義してみます.最適化とは目的特性の値が最も狙いに近くなるように制御因子の水準を設定することであるとします.ここで考慮すべきことは最適化の対象となるシステムを最適化することで,目的特性の値が目標値を達成できる目途がついているかどうかという点です.最近はベイズ最適化などの機械学習系の最適化ツールが注目されていますが,対象とした設計空間の中に目的特性の目標値を達成できる解が存在するかどうかを判断することが重要になってきます.この判断の基準が曖昧である,あるいは楽観的に行き過ぎると,解のない中での無駄な試行錯誤が続いてしまう危険性が高まります.機械学習系の最適化の課題は意思決定につながらない無駄な実験を最少化することにあると考えられます.
一方で品質工学のロバストパラメータ設計について考えてみます.ロバストパラメータ設計は形式的には最適化のアプローチですが,ロバストパラメータ設計の狙いは目的特性の目標値の達成可否を判断することです.より詳細には性能とロバスト性の両立性を評価すること,つまり対象システムのトータル評価が目的です.その意思決定までの実験計画は事前に決まっているので解のない中での先の見えない試行錯誤のリスクは原則的にはありません.
ここで考慮すべき重要な視点が交互作用の影響の大きさです.ロバストパラメータ設計によってシステムを評価するためには,交互作用の影響が十分に小さいという前提があります.そのためにロバストパラメータ設計では確認実験の結果から定義した目的特性の加法性を評価します.加法性が不十分な目的特性は交互作用の影響を受けやすく,要因効果図の傾向の信頼性が低下してしまい,性能とロバスト性の両立性の評価が困難となってしまうからです.システム評価ではなく,最適化が目的であったとしても,交互作用の影響が大きい中で最適条件を見出すためには,組み合わせ効果を検出するための膨大な実験回数が必要となってしまいます.品質工学ではロバストパラメータ設計の実施によって目的特性の加法性が不十分と判断した場合は目的特性を見直すという意思決定をします.良品率など技術的な意味を持たない目的特性は加法性がなく,交互作用の影響が増大してしまうのです.品質工学では加法性のない目的特性ではシステムの評価ができないという考え方を基本としています.また最適化が目的であっても膨大な実験回数が必要になるので,加法性の良い目的特性を再定義することが結果的には得策であると考えます.品質工学は急がば回れのアプローチなのです.
一方,機械学習系では加法性のない目的特性であっても,全組み合わせ実験よりも少ない実験回数で最適条件を見出せる可能性が高まります.パラメータ設計や直交表実験に対する機械学習系のツールのメリットの一つが最適化を目的としたときの交互作用への対応力と言えます.しかし,このことは同時に定義した目的特性の加法性を評価できないというデメリットでもあります.
一方で品質工学のロバストパラメータ設計について考えてみます.ロバストパラメータ設計は形式的には最適化のアプローチですが,ロバストパラメータ設計の狙いは目的特性の目標値の達成可否を判断することです.より詳細には性能とロバスト性の両立性を評価すること,つまり対象システムのトータル評価が目的です.その意思決定までの実験計画は事前に決まっているので解のない中での先の見えない試行錯誤のリスクは原則的にはありません.
ここで考慮すべき重要な視点が交互作用の影響の大きさです.ロバストパラメータ設計によってシステムを評価するためには,交互作用の影響が十分に小さいという前提があります.そのためにロバストパラメータ設計では確認実験の結果から定義した目的特性の加法性を評価します.加法性が不十分な目的特性は交互作用の影響を受けやすく,要因効果図の傾向の信頼性が低下してしまい,性能とロバスト性の両立性の評価が困難となってしまうからです.システム評価ではなく,最適化が目的であったとしても,交互作用の影響が大きい中で最適条件を見出すためには,組み合わせ効果を検出するための膨大な実験回数が必要となってしまいます.品質工学ではロバストパラメータ設計の実施によって目的特性の加法性が不十分と判断した場合は目的特性を見直すという意思決定をします.良品率など技術的な意味を持たない目的特性は加法性がなく,交互作用の影響が増大してしまうのです.品質工学では加法性のない目的特性ではシステムの評価ができないという考え方を基本としています.また最適化が目的であっても膨大な実験回数が必要になるので,加法性の良い目的特性を再定義することが結果的には得策であると考えます.品質工学は急がば回れのアプローチなのです.
一方,機械学習系では加法性のない目的特性であっても,全組み合わせ実験よりも少ない実験回数で最適条件を見出せる可能性が高まります.パラメータ設計や直交表実験に対する機械学習系のツールのメリットの一つが最適化を目的としたときの交互作用への対応力と言えます.しかし,このことは同時に定義した目的特性の加法性を評価できないというデメリットでもあります.
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